柏でみつける科学の芽2:手作り科学館 Exedraでたまには科学を囲んでみよう!

柏マニアNo.
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宮本
ミヤモト
千尋
チヒロ
プロフィール詳細

こんにちは、KSELの宮本千尋です。

今回は柏駅徒歩5分の場所にある、おそらく日本で2番目くらいに小さい科学館・手作り科学館 Exedra(エクセドラ)のお話です。

Exedraは、仲間と力を合わせて空きアパートをDIYで改修した、まさに“手作り“の科学館です。それまで私たちには決まった拠点はなく、不定期的なイベント開催が主な活動でした。科学館がなかった柏に、日常的に人が集まって気軽に科学に親しんでもらえる場所を作りたいという思いから作りました。

空きアパートを利活用して作ったこともユニークな点のひとつです。壁を壊すところから始まり、約1年半の工事を経て、2018年1月にオープンしました。初めはワクワクしながら手を付け始めたものの、ちゃんと形になるのか徐々に不安にもなりながら、多くの方の力を借りて開館まで辿り着きました。3年半が経った今も、ふと改修前の写真を見ては「本当に作ったんだな…」としみじみしてしまいます(笑)

内装だけでなく、展示も多くは“手作り“です。採取した化石や生き物の標本、作製した動物の骨の標本、試行錯誤した作り上げた3D地震震源図マップなど、様々な展示を手に取りじっくりとご覧いただける他、館内で体験できるワークショップもあります。

当館の1番の魅力は、お客さんとスタッフの距離感の近さです。館内には解説パネルをあまり置いていません。その代わりに、大学院生や現役の研究者をはじめ、いろんな好きや得意をもった個性豊かなスタッフが日替わりでご案内しています。科学に触れることをきっかけに生まれるコミュニケーションを大切にしたいので、このような形態をとっています。

スタッフだけでなく、お客さんの興味関心も異なるので、館内での過ごし方や会話の内容は様々です。時にはお客さんの疑問に対する答えを一緒に探したり、ご持参いただいた標本コレクションを見せていただいたり。そんな風にご一緒する時間を、私もとても楽しませていただいています。

開館日時は土・日曜日10:00~17:00です(現在は予約制。当館Webページからご予約ください)。2021年8月9日~20日は平日開館もあります。ぜひ足を運んでみてくださいね。

 

<本日の科学の芽>

館内には質問コーナーがあります。お客さんが残してくれた質問に、スタッフたちが知恵を絞って回答を寄せています。

中にはまだ解明されてないような謎もあり、議論が盛り上がること。「科学って難しそう、何から手をつければいいのか分からない。」とよく言われるのですが、最初の一歩は意外とシンプルで、「不思議だな」と感じた気持ちを見逃さず「なぜ?」と疑問を持つことだと思います。科学の芽はすでに皆さんの中にあるかも?

答えの探し方は何通りもあります。じっくり観察や実験をしてみたり、図鑑で調べてみたり。誰かと一緒に考えてみることもひとつの手です。

最近、「なぜ?」と思ったことはありますか?皆さんが感じた不思議を、ぜひ今度Exedraで教えてください。

この記事を書いた人

宮本
ミヤモト
千尋
チヒロ
プロフィール

1991年生まれ。東京大学大学院

理学系研究科地球惑星科学専攻を修了、博士(理学)。幼い頃、家族で出かけたキャンプをきっかけに自然や理科が好きになる。大学院では大気中の微粒子・エアロゾル(PM2.5や黄砂など)を研究していた。

副代表を務める「柏の葉サイエンスエデュケーションラボ(KSEL)」では、科学コミュニケーションを通してヒトと地域を繋ぐ活動をしている。大学院生をはじめとする若手の研究者が自身の専門分野を実験や工作などを交えて紹介する『研究者に会いに行こう!』や、自然体験活動を通じて理科に親しむ小中学生向けスタディツアー『理科の修学旅行』、柏駅前の空きアパートをDIYで改修した『手作り科学館 Exedra』などを企画・運営。

柏の葉サイエンスエデュケーションラボ(KSEL)副代表/手作り科学館Exedra 副館長/一般社団法人サイエンスエデュケーションラボ(SEL)理事

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