柏でみつける科学の芽1:科学でもっと柏を楽しく!

柏マニアNo.
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宮本
ミヤモト
千尋
チヒロ
プロフィール詳細

はじめまして!宮本千尋と申します。

柏の葉サイエンスエデュケーションラボ(KSEL)という団体で活動をしています。空きアパートをDIYで改修して作った手作り科学館 Exedra(柏駅西口徒歩5分)の副館長も務めています。

私が初めて柏に降り立ったのは約6年前です。大学卒業まで西日本で過ごし、大学院進学を機に、知り合いがほとんどいない関東に移り住んできました。大学に行けば研究室の仲間に会えますが、限られたコミュニティの中で、これまでと大きく異なる環境で暮らすのは心細いものでした。

そんな時、偶然出会ったのが、東京大学柏キャンパスの大学院生を中心に作られた科学コミュニケーション団体であるKSELでした。

実は柏は、大学や研究所がたくさんあり、ノーベル賞受賞者や宇宙飛行士も輩出している「科学の街」でもあります。私と同じように、進学や研究のため移り住んできた人もたくさんいます。新たに柏にやってきたメンバーによる友達作りが団体設立のきっかけの1つだったと聞いています(笑)。

KSELが立ち上がった10年前は、新しくできた研究機関で研究する人たちと、昔から暮らす人々との間にあまり交流がありませんでした。大学で何が行われているか分からず不審に思う地元の人もいる一方、進学のために街にやってきた大学院生らにとっては街につながりが作りづらい状態でした。

自分たちが得意とする科学を通じて、地域交流をもっと活性化しよう。そんな思いで大学院生が作った団体がKSELです。初めはサイエンスカフェと呼ばれるイベントを年に数回開催するところから始まりました。今では地域の人々も加わり、世代もバックグラウンドも異なる個性豊かなメンバーが集まり、幅広く活動をしています。

研究機関が複数あり、交通が便利でお店も多い都市域があり、豊かな自然もあり…柏は色々な側面がぎゅっと詰まった魅力的な街だと活動を通じて感じました。見逃されがちですが、科学のワクワクは、柏の色んなところに潜んでいます。科学という視点から新たな柏の魅力を発見したり、柏という街だからこその科学の楽しみ方を発掘したりすることで、科学に親しみをもってもらえたら、私はとても嬉しいです。

今後、柏で見つけた「科学の芽」を、私たちの活動や思いも交えながらご紹介していきます。次回もどうぞお楽しみに!

 

<本日の科学の芽>

暖かく草花が元気な季節になりました。今回は公園や道端にもよく生えているカタバミのヒミツをご紹介します。名前は知らなくとも、このハート型の葉の植物、見たことがある!という方も多いのではないのでしょうか。黄色の可愛らしい花を咲かせます。

カタバミの葉で10円玉を磨いてみると…あっという間にピカピカに!葉や茎に含まれるシュウ酸が10円玉の錆びと反応するからです。見つけたら少し葉っぱを失敬してやってみてください。他の植物でもピカピカになるか、試してみるのも面白そうですね。

この記事を書いた人

宮本
ミヤモト
千尋
チヒロ
プロフィール

1991年生まれ。東京大学大学院

理学系研究科地球惑星科学専攻を修了、博士(理学)。幼い頃、家族で出かけたキャンプをきっかけに自然や理科が好きになる。大学院では大気中の微粒子・エアロゾル(PM2.5や黄砂など)を研究していた。

副代表を務める「柏の葉サイエンスエデュケーションラボ(KSEL)」では、科学コミュニケーションを通してヒトと地域を繋ぐ活動をしている。大学院生をはじめとする若手の研究者が自身の専門分野を実験や工作などを交えて紹介する『研究者に会いに行こう!』や、自然体験活動を通じて理科に親しむ小中学生向けスタディツアー『理科の修学旅行』、柏駅前の空きアパートをDIYで改修した『手作り科学館 Exedra』などを企画・運営。

柏の葉サイエンスエデュケーションラボ(KSEL)副代表/手作り科学館Exedra 副館長/一般社団法人サイエンスエデュケーションラボ(SEL)理事

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