ドイツ人留学生マルテの『つながるまち歩き』10:鳥ビシャ

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English Version:Toribisha

泉妙見社の鳥ビシャ

鳥ビシャとは?

鳥ビシャ(とりびしゃ、鳥備謝と書きます)は300年以上の歴史を持っている伝統行事です。昔から手賀沼周辺では水害が多く農作物が荒れ、また鴨狩りも増えて鳥や他の生き物が殺されました。農作物の豊穣を祈り、災害が起こらないように、鳥ビシャの行事が始まったそうです。今年私が行ってきた旧沼南町の泉地区の鳥ビシャは、無病息災を願い、カラスや鬼を追い出す目的で行われます。しんこ餅で鳥の姿を作って、鳥木(とりぼく)に飾ります。

鬼を追い出すなんて大変なことに聞こえますね。鬼を追い出す方法を紹介しましょう。「鬼」と書いてある紙を弓矢で射ると、鬼たちが逃げるんだそうです。もちろん、ただ紙に書いて射るのではなくて、鳥ビシャの儀式の一部として行われます。すべての儀式を完成すれば、鬼たちはきっと柏を避けて逃げますよ。

世代から世代へ

もともとは、鳥ビシャは各家庭で行われていたそうですが、最近はその伝統が弱くなっています。現在は鷲野谷地区、泉地区、道の駅しょうなんの鳥ビシャ作り体験の3か所で鳥ビシャが行われているそうです。もちろん、鳥ビシャを独自で行っている家庭もまだあると思います。鳥ビシャの伝統が失われないように「泉鳥備謝保存会」が存在します。毎年2月後半に、鳥木(とりぼく)を作り、鬼を追い出すために、泉地区の妙見社(みょうけんしゃ)で鳥ビシャの儀式が保存会により開催されます。鳥木を学校などにも持っていくそうで、鳥木の鳥たちは子どもたちにも大人気です。その子どもたちは将来も鳥ビシャを続けるだろうと願っています。

秘密基地

泉地区の鳥ビシャは毎年、泉妙見社で行われるので、私も参加しました。グーグルマップにただ「妙見社」と入れると、全然違う同名の神社が結果として出てきます。ちゃんと「泉」を入れないと関係のない神社に行くので、そこだけ気をつけてください。でも、そこまで隠れ家の秘密基地のような神社だからこそ、特別な魅力があると思います。森の中、ずっと奥の上のほうに泉妙見社が現れます。鳥ビシャのないときには人がいなくて、見逃す可能性も高いと思います。しかし、境内はとても自然の豊かさを感じ、落ち着く場所だと思います。下の写真を見ると柏市ではない、ジャングルや無人島みたいに見えません?

鳥の色

このセクションはたくさんの言葉よりも、しんこ餅の鳥や鳥木を見せたいと思います。「一枚の絵は一千語に匹敵する」("A picture is worth a thousand words")、そういうわけで、ぜひ写真を見てください。

 

仲間同士

儀式とその片付けが終わったら、「泉鳥備謝保存会」の人々が泉妙見社から二次会の会場へと移動します。私もそのメンバーの車に乗せていただき、一緒に二次会に向かいました。メンバーの皆さんが仲良く集まり、二次会はさすがに食べ物と飲み物(おいしそうなビールも)も用意されています。残念ですが、取材する人々(私の他に柏市役所関係の数人もいました)のビールがありません。乾杯の前に来年の当番(責任者)への引継ぎが行われ、皆さんが元気に乾杯をします。そこで私はそろそろ帰る時間になりました。ビールではないですが、お茶を一本いただき、帰りました。

地域冒険

せっかく自然豊かな地域にいるので、少し散策しました。泉地区から鷲野谷地区に歩き、昼ごはんは「イーグル137(Eagle137)」で食べたけど、そのストーリーは今度、kamonのインスタグラムで見せますね。

掲載情報は2020年02月22日の取材時のものです。

掲載内容が変更になる場合もございます。あらかじめご了承ください。

この記事を書いた人

ドイツ出身

麗澤大学
東京大学

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プロフィール

2012年から在日しているドイツ人留学生のマルテです。マルちゃんで大丈夫です。

麗澤大学を卒業して、今は東京大学の柏の葉キャンパスで研究しています。

柏の優しい人が大好きです。柏の色々な場所やイベントを取材して、さらに柏のこと好きになりました。
記事や写真を通して、柏の綺麗な自然と人々の活動を紹介して、他の人も柏のこと好きになることを願っています。

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