子どものためのプログラミング道場 CoderDojo Kashiwa の物語9:「広報活動を通じて感じた、CoderDojoが持つ創造力」

柏マニアNo.
9
宮島
みやじま
衣瑛
きりえ

株式会社Innovation Power

代表取締役

一般社団法人 CoderDojo Japan

理事

CoderDojo Kashiwa Champion

プロフィール詳細


CoderDojo は子どものためのプログラミングクラブですが、関わる人はプログラマーだけではありません。今回は、設立初期から広報活動を一緒にやってくれている北原に、8年間に渡り映像を取り続けてきた中で気づいた CoderDojo Kashiwa の魅力について語ってもらおうと思います。

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はじめまして、CoderDojo Kashiwaで運営のサポートを行っている北原成貴です。2020年3月に美術大学を卒業し、現在はWebのフロントエンドエンジニアとして働いています。
私がCoderDojoと出会ったのは今から約7年前、高校1年生の時です。当初映像制作にハマっていた私は、プログラミングは出来ないけど、広報活動の協力をするという理由で運営のサポートを始めました。
今回は私がCoderDojoの活動を続けることができた理由を、創造性という観点からお話できればと思います。

活動を始めて一番最初に思った事は、「小学生がプログラミングをするの?すごくない!?」で、参加していた子どもたちに話を聞いてみると、「自分が考えたように猫(ScratchCat)が動くのが楽しい」「ゲームが作れる!」と言った声を聞くことができました。自分が小学生だった時は外で遊んだりゲームをしたりしていた事を考えると、それだけで異空間のような、でもとても魅力的な場所だと思いました。

自分自身の考え方に大きな変化が起こったのは、Special Presentation Dayを開催するようになってからです。このイベントでは日々のDojoで子どもたちが制作している作品の発表を聞くことができます。 

私は毎年イベントの撮影をしていますが、毎回作品のクオリティの高さに驚かされます。ゲーム性を高めるためのルール作りや、目を引くグラフィックの精密さなど、個人によってこだわるポイントが違うため見応えがあります。子どもたちに質問を投げかけてみると、自分では思いつかないようなアイデアを閃いて作品に落とし込んでいたりと、予想もしなかった答えが返ってきます。その答えに対して「自分だったらこう作ってみる!」「別の考え方もできるよね!」など、お互いに刺激し合う姿も見ることができます。
私自身も発表を聞いて負けてられない、自分も何か作らなくてはと思うようになりました。Special Presentation DayはDojo全体の創造力を沸き立たせるきっかけになっていたのです。

イベントが終わった後、改めて普段のDojoを撮影してみると、最初は異空間のように感じていたCoderDojoという場が、作品を通じて交流できる魅力的な場に変わっていました。

私で広報活動を続けられた理由はDojoそのものが創造性を発揮させる場だったからと考えています。中でも映像制作の分野においては様々な創意工夫を行うことができました。

CoderDojo KashiwaではRTV(Real Time Video)という手法を用いて活動の様子を記録しています。(結婚式のエンドロールムービーを想像してもらうと分りやすいと思います)
毎回2時間の活動の様子を撮影・編集し、活動の最後に参加した子ども・保護者の方に今日1日の振り返りをしてもらいます。その場で起きた出来事を即時に共有することで、Dojoに参加した人の間でコミュニケーションが生まれました。
「記録」という行為自体に当初興味を持っていなかった私ですが、Dojoの活動を通じて記録の必要性や価値に気づくことができました。

現在は社会情勢状オフラインでの交流は減ってしまいましたが、また元気な姿でみなさんとお会いできるのを楽しみにしています。

この記事を書いた人

1997年5月生まれ

学習院大学文学部教育学科

株式会社Innovation Power

代表取締役

一般社団法人 CoderDojo Japan

理事

CoderDojo Kashiwa Champion

宮島
みやじま
衣瑛
きりえ
プロフィール

2013年5月から地元である千葉県柏市で小中学生向けのプログラミング道場、CoderDojo Kashiwaを主催・運営。プログラミング教育を始めとするICT教育全般について、全国各地で実践研究を行っている。教育分野のR&D(研究開発)を行っている株式会社 Innovation Power のCEO。2017年4月より柏市教育委員会とプログラミング教育に関するプロジェクトをスタート。市内すべての小学校で実施するプログラミング学習のカリキュラム作成やフォローアップを担当。2017年11月より一般社団法人CoderDojo Japan理事。大学では教育についてより専門的に学んでいる。

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