フランス人エムリーヌの日本生活1:就職活動〈後編〉:日本での就職活動の仕方

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フランス人エムリーヌの日本生活1:就職活動〈前編〉:日本と海外の就職活動の違い

English version: Experiencing Everyday Life in Japan with Emeline 1: Job Hunting Part 2: How to Hunt for a Job in Japan

こんにちは!エムリーヌです。

前編ではフランスと日本の就職活動についてお話ししました。それぞれの国での就職活動の特徴をご紹介しましたが、今回の記事では具体的にどのように日本で就職活動を行うかについてご説明したいと思います。

就職活動を本格的に始める

準備が整ったら、本格的に就職活動ができます。

フランスとは全く違う仕方なので、どうすればいいかよくわかりませんでした。調べたら、外国人向けの就職活動イベントを見つけて、参加しました。そのようなイベントがよく行われていると思うので、「就活イベント」「就職活動イベント」等を調べれば見つかるはずです。様々な会社が参加していたので、説明会を聞いたり、社員に質問をしたりできました。就職活動の仕方についても説明してもらったので、これからどうすればいいか大体わかりました。

家に帰ったら、興味を持った会社のウェブサイトを調べて、ウェブサイトから直接エントリーしました。普段は、その会社が行う説明会への参加を予約できるのですが、就職活動をしていた時期はコロナウイルスの影響で、たくさんの説明会が中止になりました。

説明会は海外にはないので、何なのか、なんで参加したほうがいいのかあまりわかりませんでした。でも、説明会では会社についての大切な情報をたくさんもらえるので、参加してよく聞いたほうがいいと思います。会社にどんな雰囲気があるか等も理解できるので、本当にその会社に入りたいかどうかを判断するために役に立つと思います。

たくさんの会社にエントリーしてみるのがいいとその外国人向けの就職活動イベントで教えてもらいました。落ちる可能性が、残念ながら、高いので、たくさんの会社にエントリーしみると、成功する確率があがるからだと言われました。

時間がかかるし、落ちてしまったら落ち込んでしまうし、気力も体力もたくさんいるので、とても大変な時期でした。

でも、大変になってもあきらめないでください!きっと自分に合う仕事が待っていますよ!

エントリーの第一歩:エントリーシートの作成

最初は、会社のウェブサイトに登録して、名前や住所、学歴等のいろいろな個人情報を入力しないといけません。書類も提出する必要がある会社がたくさんあります。履歴書はもちろん、成績証明書や卒業見込証明書も求めている会社がありますから、早めに調べて準備してください。

その書類の中から、エントリーシートは一番時間がかかって、作成が難しい書類になると思います。フランスにはエントリーシートがないので、最初は何なのか全然わかりませんでした。フランスでは、履歴書以外はカバーレターしかないのですが、実はエントリーシートはカバーレターの長くて複雑なバージョンだと思います。基本的に志望の動機や自分をアピールする自己PRを書かないといけないので、あまりカバーレターと変わらないところがたくさんあると思います。


しかし、会社によってエントリーシートの内容が変わるので、もっと答えにくい質問があります。「10年後の自分を想像して、弊社での役割について書いてください」「この商品の売り上げを伸ばすために提案をしてください」「あなたのキャッチフレーズを教えてください」などのような質問が出てくることもあるので、「何この質問?!」「これどう答えればいいの?!」と戸惑いを感じる時が多くなると思います。

インターネットで調べれば、ヒントがいくつか出てくるので、それを参考にして自分らしい答えを書けばいいと思います。書類選考を通過して面接に行くことになったら、エントリーシートについてよく質問されるので、あまり嘘をついたり、格好つけたりしないほうがいいと思います。

適性検査

エントリーシートの作成がようやく終わって、提出できたら、結果が出るまで少しゆっくりできるだろうなと思う人がきっと多いです。私もそうでした。でも実は、まだゆっくり休める時間はありません。その前に適性検査を受けさせる会社が多いです。

適性検査というのは何ですか?それは会社が求めている条件を満たしているかどうかを判断するためのテストです。

最近は家でパソコンを使ってその検査を受けることが多いのですが、どこかの会場まで行かせて筆記試験を受けさせる会社もあります。それによってテストの内容が少し異なりますから、よく調べてから受けたほうが安心ですね。

ほとんどの場合は、テストが2つの部分に分かれています。1つ目は基礎能力検査で、日本語や数学、たまに英語の能力を評価するテストになります。2つ目は性格検査で、社風に合うかどうか、チームワークができるかどうか等を判断するテストです。

適性検査は全部日本語で書かれているので、大変です。特に数学は、外国人なら母国語でしか勉強したことがない人が多いと思いますので、問題を理解するのに時間がかかります。

それに、(割と厳しい)時間制限があって、問題数がけっこう多いので、すべてに答えるのは大変です。会社がどれほどそのテストの結果を重視しているかわからないのですが、受けるからにはいい結果を出したいと思って、ストレスを非常に感じる人が多いと思います。私もその検査を受けるたびに、ぽろぽろ泣きながら問題を解いていたほどストレスがひどく溜まっていました。

そのテストの準備としては、本や問題集を買ってよく勉強するしかないと思います。いくら勉強していてもできないと感じていたら、適性検査を受けさせない会社を探してもいいと思います。

面接

エントリーシートの段階を通過して、適性検査もできて、面接に行くことになったというお知らせが来たら、ひとまずおめでとうございます!まだ道が長いのですが、頑張ったかいがありましたね!

これから面接の準備を始めなければなりません。海外では、基本的に面接が1回しかないと思いますが、日本では何回あっても普通です。少なくとも2回面接がありますが、5~6回面接をする会社もあります。各面接でされる質問が多少変わって、各回ちゃんと考えたり、インターネットで調べたり、本を参考にしたりして準備しないといけません。

それに、1対1の面接が多いと思いますが、グループ面接やグループディスカッションが行われる場合もあります。グループ面接を受けたことがないので、あまり説明ができないのですが、1対1の面接と同じような、ルールやマナーを守らないといけないと思います。入室の仕方、挨拶の仕方、座り方、退室の仕方等、いろいろなルールがあります。フランス人として、考えたことのないことがたくさんあって、初めてそのルールを聞いた時はびっくりしました。

大学で初めて先生に説明してもらいましたが、それを説明するビデオがインターネットにいっぱいあります。「面接マナー」を調べればいろいろなビデオが出てくるので、それを参考にしてご準備ください。

入社に向けて

面接を受けて、全部無事に通過できたら、内々定がもらえます。それは、企業が近いうちに採用するという証になります。

日本では入社が4月になるのですが、普段はその前の10月に内定式が行われています。その次の年度に入社する人が集まって、「会社へようこそ」を伝えるような機会になります。その際に、「内々定」が「内定」になります。基本的にあまり変わらないのですが、内定のほうが公式的です。

会社によって、入社する前に課題を提出したり、勉強したりするのが要求されていますので、入社までによくメールを確認してください!

日本では、外国人の新卒として就職活動をするのはとても大変だと思いました。コロナウイルスの影響もあって、去年から特に難しくなった気がしますが、家族や友達が応援してくれていたおかげで、何とかそのつらい時期を乗り越えられました。次の4月に入社するのですが、仕事がうまくできるかどうかという不安でやっぱりストレスが溜まっていて、疑問がたくさんあるのですが、新しい経験をするのを楽しみにしています。

同じように日本に就職したいと思う方がいましたら、少しでもこの記事がお役に立てたらうれしく思います。

頑張ってください!


この記事を書いた人

フランス出身

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エムリーヌ
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プロフィール

フランス出身のエムリーヌです。覚えにくい名前なので、エムちゃんとよく呼ばれています。

2019年9月に、修士論文の研究をしに交換留学で日本に来ました。慶應義塾大学の三田キャンパスに通っていましたが、最初から柏に住んでいます。地元が割と小さい町で、東京より柏のような町のほうが心地よさそうでしたから。まだ柏のことがそれほど詳しくないのですが、kamonでアルバイトを始めてから、毎日柏について新しいことを学んで、柏のことがだんだん好きになっています!

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