柏の折紙好き(のいろいろ)5:共晶点の振り返りと今後

柏マニアNo.
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勝川
カツカワ
ヒガシ
プロフィール詳細

明けましておめでとうございます。私は三豊市で年を越しました。折紙と読書とゲームをしていました。

 

11月の共晶点は、私の折紙人生にてとても大きな機会でした。ご一緒させていただいた作家の方々、見に来てくださった方々、ありがとうございました。

また、かしわんタンタンさんに、その時の作品の詳細などを、記事にしていただきました。嬉しいです。

https://machitto.jp/kashiwa/8462/?fbclid=IwAR3uEZzIftJtguzTin6IkvMS0wFeQarn3EJhscKbim1B_Z_r_zt3orWi61U

 

恥ずかしい話、この機会に際して一番頭にあったのは、名立たる方々の中に在っても、見劣りしない作品を、という恐怖と反骨のないまぜの思いでした。作品自体が本位ではなかったわけです。自信がなかったわけです。

しかし、今後は違うでしょう。共晶点を経て、視野というか、範疇が広がった気がします。

 

具体的には、これまでは「折紙」をしていたところに、台座や素材を接いで焼いて「作品」にしていましたが、素材や空間に関する視座が増えたことで、制作中の全体観が広がり、「折紙で作品」になった気がします。

それは過渡期であった「corrosion」と、本展に向けた「セミ」の、制作過程と展示の完成度で、確信しました。

余談ですが、折紙の素材が広がることが、折紙の世界を広げると思います。先程述べたように、良くも悪くも折紙は「折紙」することに尽きがちです。

それは折紙の技術の特殊性と、表現技法や表現対象などの狭さによります。

如何せん、我々は紙を折ること自体が楽しいわけですから、そこに終始しがちなのですが、「作品」を成したいなら話が変わってくると考えています。

 

先程のタツノオトシゴやセミは、「おりあみ」という金網で制作しています。

写真は、ステンドグラスで、鶴の展開図を制作したものです。「東大折紙」の出版もそうですが、折紙作家が思っている以上に、展開図自体の美しさへの感動は大きいです。

今後、展開図も含めた展示をしたいと思っています。

 

そういうわけで、私は芸術家になります。その言葉の重みを、実感し切らずに口走っています。

それは、自分の作品への向き合い方以上に、自分がそうであることが大きな意義を持つと考えているからです。

どういうことかというと、これからの社会はボトムアップが鍵であり、その象徴の一つがアートであります。

義務をこなしていく能力ではなく、やりたいことを推進する自発性と、そのやりたいことの審美性が大事です。

 

同様の構造が、教育と資源についても言えます。

前者は、詰め込まれる学校教育ではなく、本質的な力の下に学びを得ていくこと。

後者は、トップダウンのエネルギーだけではなく、地域主体の再生可能エネルギーで部分最適を生むこと。

どの分野であれ、個人や小さな単位から発せられるソフトの力が、相乗して社会が動くはずなのです。

 

であるならば、私はその体現者でありたいのです。折紙における芸術と教育、及び本職の再生可能エネルギー、これらを一人の人間が修めていることが、なんらかの意義になるのではないかと思い、日々生きています。

実は、柏がそういう場であってほしいという思いは、未だにあります。

 

とはいえ、折紙作品の制作は、別に打算的にやっているわけじゃないです。楽しいから折っています。

そして今年も、柏に関係したりしなかったりですが、色々と動きがありそうです。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 

この記事を書いた人

東京大学法学部卒業

勝川
カツカワ
ヒガシ
プロフィール

旧沼南町に来たのが5歳頃で、その前から折紙が好き。折紙サークルOristの『東大折紙』の出版を主導。カシワテラスでの『アサオリ』など、折紙の普及にも努める。

二松学舎大学附属柏中学校の第一期生。東京大学法学部卒業。今年度から自然電力株式会社に勤務。

折紙の他に、大学では躰道という武道にも注力。書道や将棋も好き。

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