柏の生き物4:柏のフクロウ

柏マニアNo.
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小川
オガワ
幸夫
ユキオ

ファーム小川

プロフィール詳細

こんにちは、小川と申します。

柏市で農業をしています。

 

この時期の夕方になると畑に飛んでくる大きな影。

大きく見える翼を広げスーと軽やかに電柱や電線を音もたてずに移動していきます。

はい、そう、フクロウです。

寒いこの時期になるとよく夜の畑に飛んできます。特に堆肥置き場ですね。

寒い時期でも発酵熱で温かい堆肥場には様々な虫が生きています。それを食べるネズミが現れます。フクロウはネズミが好物なので電柱や電線の上からネズミが現れるのを

ジィ〜っと見つめて待ってます。街なかの夜の電柱や電線に黒い影のかたまりがあれば、たいていそれはフクロウです。

柏にも自然のフクロウが棲息しているというのを知らない人も多いはず。

夜に音もなく活動するフクロウを人間は見ないし気にもしないので、頭上の電線にいてもわからないのです。フクロウはジィ〜とこちらを見てるはずですよ。

 

フクロウの棲む家は大きな古い大木のウロ(穴)の中です。ウロのある大きな大木が年々減ってるのは心配するところですが、

たまにフクロウのために大きな巣箱が取り付けてある大木を見かけたりしますね。巣箱が落ちたらフクロウや人間にも危ないのでしっかり固定されてることが大事です。

私も近々畑や庭に巣箱を設置しようと思っています。大木になる木も植えたいと思ってますが、最近は落ち葉で近隣からクレームがくる時代なので難しいかもしれませんね。

 

フクロウは希少な猛禽類で飼うために買うととても高価だとわかります。したがって営利目的で雛や幼鳥の拉致などされやすい動物なのです。

私は営利目的でフクロウが利用されることがないように願ってます。フクロウを売る側だけでなく、フクロウを買ったり飼う側にも原因あることを覚えておかないといけません。

フクロウはかわいいですが、カフェで見たり飼う場合は自分の行動というか、フクロウの気持ちをよく考えてください。

 

夜になってホーホーと鳴いてるのはフクロウです。また猫がギャーと叫ぶような声が続くのもフクロウの鳴き声です。その鳴き声の意味を考えるのも面白いかもしれませんね。

この時期は親から教育を受けた子どもフクロウが親から離れ立派になって飛んでる時期です。夜に電線や電柱の上に佇むフクロウを見つけてみてください。

もちろん気づいてもそっと通り過ぎてくださいね。

柏でフクロウがこの先もずっと住んでいけますように。

この記事を書いた人

慶応大学 環境経済・農業経済

ファーム小川

小川
オガワ
幸夫
ユキオ
プロフィール

南増尾の農家「ファーム小川」代表。

慶應大学経済学部卒業後、農業機械メーカーを経て就農。

野菜と生き物の共生を追求した農業を展開し、完全無農薬栽培を実践。約1.5haの畑で100品目500品種の野菜と果樹を栽培し、市内の直売所やマルシェなどで販売をしている。

農業界の“ムシキング"と呼ばれるほど昆虫を愛し、日本ミツバチの保護にも取り組む。

2018年には著書『農薬に頼らずつくる 虫といっしょに家庭菜園』を発売。

参考サイト

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