歴史発見!【番外編「送り大師」を歩く(レポート編)~柏に伝わる県下最大の巡礼文化~】

 2022年5月1日、准四国八十八箇所東葛印旛大師巡拝(送り大師)が開催されました。先の見通せないコロナ禍では、結願催事を遂行することは困難と1年間活動を休止していました。少し落ち着きを取り戻した2021年5月からは、お籠もりが再開されましたが、コロナ禍はいまだ収まらず、社会や生活に大きな影響を及ぼしています。
 このことから「式典、巡拝、お練り」は結願区の泉大師組合のみで行い「接待、中食、泊まり」も省略して行われました。縮小しての「送り大師」となりましたが、次代に引き継ぐことを責務として結願(けちがん)催事が執り行われることとなり、結願式(けちがんしき)が行われる2022年5月5日、取材させていただきました。

「送り大師」の歴史についてはコチラ

今回の「送り大師」では、八十八箇所ある札所への移動は、車で行われました。
5日間で80km歩くのですから、すごいですね。
准四国八十八ヶ所道案内(写真提供:柏市教育委員会文化課)
龍泉院からの風景・古くからあるお寺は高台にあることが多いそうです。
いきものの足あと
この道は、中世からある道だそうです。
結願式の日
5月5日(木)の朝、鷲野谷地区の「善龍寺、医王寺、薬師堂、香取神社裏、山王社日枝神社」を巡拝し、泉地区へと入ります。
5月5日の朝、鷲野谷「医王寺」での読経風景(2022年5月5日)
鷲野谷から泉地区の札所、二十三夜堂へと向かいます。通常は徒歩で向かいますが、今回はマイクロバスを利用しました。
二十三夜堂「吉祥院三夜堂(左)・吉祥院大師堂(右)の二つ」
お大師さまが到着するのを待っている、泉地区の皆さん。
地区の人が少しずつ集まってきてお大師様が来られるのを、待っておられました。待つあいだ「元気だったか~?」「最近はどう?」と情報交換したり、前回の「送り大師」のお話しも楽しそうにされていました。
お札とお賽銭
お堂は綺麗に掃除され、飾り付けされていました。
このあたりには、真言宗豊山派のお寺がありました。明治18年に手賀西小学校が創立された際、お寺の本堂を校舎として供用され、現在二十三夜堂のみが残されています。
結願寺である「龍泉院」のご住職が到着し、二十三夜堂での読経がはじまりました。
このような読経が、八十八箇所すべての札所で行われます。
「南無大師遍照金剛」と唱えながら、龍泉院へと向かいます。
住宅街を抜け
交通量が多い道路も通ります。街の風景と白装束のコントラストが印象的です。
畑の中を進み龍泉院へ
移動中も「吹螺(ほら)師」はずっと吹いています。
「龍泉院本堂」
「大師像厨子」
一旦、お大師様を安置し「お練り込み」の準備に入ります。
疲れが見えない!
法螺貝はお水を入れると、音が出しやすいそうです。
それぞれの係を交代でされるそうですが、暑い中大変だと思いました。
厨子の扉を開いて、いよいよ「お練り込み」が始まります。
5日間のクライマックスです。いつもは1枚の写真に納まりきらない程の人の行列です。それはそれは壮観です。
5日間、80kmを自分の足で歩いてきたと想像すると、熱い想いが込み上げてきます。
「露払い」ずっと中腰の体勢です。
先頭の「吹螺師」
「スローガン旗持ち」
「万灯」中心で数人支え、左右から紐でひっぱってバランスをとります。
「稚児行列」
稚児行列に参加できるのは「結願区」にゆかりのあるお子さんだけです。
20年ほどで結願担当区がまわってくるので、稚児行列に参加できることは、とても記念になりますね。
「吹螺師、旗持ち、先達(龍泉院住職)、大傘持ち」が続きます。
「大師像厨子」と続きます。
龍泉院へと「お大師様のお練り込み」一行が向かいます。
暑い中、お稚児さんもがんばります。
龍泉院前の参道へ
一行はゆっくりと龍泉院へ入ります。
「大師像厨子」を安置し結願式が始まります。
まずは、お稚児さんの中から代表者がくす玉を割ります。「南無大師遍照金剛 泉結願」と書かれていました。
龍泉院のご住職がお稚児さんへ読経を上げます。
泉大師組合・お世話人の石井さんから、結願式へのご協力への感謝をのべられていました。
お孫さんの世代へと受け継がれていければ良いですね。
お稚児さん記念撮影
ママカメラマンや、じいじカメラマンの撮影は止まらない。
最後に「万灯」の飾りを一本ずつはずして、持ってかえります。
役員さんたち「は~い、みんな持って帰ってね~!」
みんな一本ずついただいていきます。
私も「縁起ものだから」といただいて帰りました。
コロナ禍でしたが、開催できてよかったですね。200年余り続いている「送り大師」は、大切な文化だと思います。
取材にあたり、これまでの資料を拝見させていただきましたが、実際にていただき、みなさんの想いが伝わってきました。次世代へとつながればと思います。
https://youtu.be/bt4EsCDauhY

歴史発見ガイド人

髙野
タカノ
博夫
ヒロオ
プロフィール

柏の古文書や石像をず~っと調べて40年。
柏の歴史って素晴らしいので、ぜひお知らせしたいと思っています。