柏歴史発見!番外編【柏の寺社に祀られている七福神-2】

つづいては、毘沙門天と弁財天にふがまつられたま寺社仏閣を紹介します。
毘沙門天は…どんな神様だったけ?という印象です。
…楽しみです!
【毘沙門天(びしゃもんてん)】
どんな神様?
 鎧兜に身を固め、右手に三叉の槍、左手に福徳の象徴である宝塔を奉げ、忿怒の表情で天邪鬼を踏みつけている神様です。仏教を守護する四天王の一神、北方の多聞天とされ、すべての事を聞き取ることができる知恵者でもあります。国土守護の武神ともなり、多くの武将の信仰を集めました。越後(新潟県)の戦国大名上杉謙信が、旗印に毘沙門天の「毘」を掲げて戦ったことは有名です。

主な社寺

花井山 大洞院 【かしわ七福神 毘沙門天】
【かしわ七福神 毘沙門天】
 大洞院の記録としては、江戸中期に作成された過去帳、本堂造営時の寄進者を記した芳名板、弁天堂の棟板、阿弥陀三尊を納める宮殿造営の奉加帳などが残っています。金石文としては、山門の六地蔵、戒壇石、弁天堂の鰐口、筆子碑などに、寄進者・年代などの記録があります。筆子碑 大洞院が曹洞宗寺院となったのは、慶長元年(1596年)とされています。
HPはこちら
住所 柏市花野井1757
地域に開かれたお寺として、本堂を用いたコンサートや、ギャラリーでの作品展など、文化活動も活発にされていますよ。
医王寺 【毘沙門天立像】
 鷲野谷の医王寺には、平安時代後期の制作と見られる、5体の仏像が確認され注目されていますが、この毘沙門天立像もそのうちの一体。胎内腰部に「形部・理観・慈貞」などの銘文があり、木造彩色、像高は95cmです。(現在、拝観はできません)
住所 柏市鷲野谷510-1
【医王寺 毘沙門天立像】(写真提供 柏市教育委員会)
【医王寺 ご本尊】
平安時代の貴重な仏像です。
1000年前とは!すごいです!
布施弁天東海寺 【毘沙門天立像】
布施弁天の毘沙門天は、大黒天と共に本尊弁財天の両脇に安置されています。
御本尊の弁天様(お前立)を真ん中に、向かって右側に大黒天、左側に毘沙門天をお祀りしています。いずれもインド由来の福の神で、3体並ぶ珍しい形です。
布施弁天については、柏歴史発見!こだわり柏の社寺(2)【布施弁天】をご覧ください。
住所 柏市布施1738
【布施弁天東海寺 毘沙門天立像】 
【布施弁天東海寺 本堂】
興福院 【毘沙門天】
興福院は戦国時代末期、手賀城を拠点とした原氏のゆかりの古刹です。こちらの毘沙門天はかつての末寺、千住院に祀られていたものです。
住所 柏市手賀712-1

弘誓院 【毘沙門天立像】
木造で立像、像高75cmで厨子の中に納められています。
【弘誓院 毘沙門天立像】
 弘誓院は、真言宗豊山派の寺院。正式には蓬莱山弘誓院福満寺といい、むかしから「柳戸の観音様」として親しまれてきました。下総観音霊場三十三番の第三十三番札所の名刹で、九世紀はじめに行基が開山したと伝えられています。谷津の中に建てられている趣のある古刹で、多くの文化財が残されています。現本堂は江戸初期の建立で市内きっての古建築です(柏市観光協会HPより)。
住所 柏市柳戸6113

曹洞宗 天徳山 龍泉院 【毘沙門天立像
木造彩色で立像、像高22cmです。庫裏の本尊として、黒漆塗りの厨子に納められています(写真8)。明治11年(1878)流山の仏師、石井静馬によって修理されました。
住所 柏市泉81
【龍泉院 毘沙門天立像】
【龍泉院 本堂】
真言宗豊山派 医王山 萬福寺 【毘沙門天立蔵】
木造・一木造・彫眼・像高55cm
住所 柏市増尾1344-1
【萬福寺 毘沙門天立蔵】
【萬福寺入口】
真言宗 豊山派 安樂山 観音寺 【毘沙門天立蔵】
木造・彩色・玉眼・像高9cm、江戸時代に法印蓮慶によって作られました。
HPはコチラ
住所 柏市逆井523
観音寺さんの境内には、ちょっとした植物園ほどの種類の草花があり、梅や紫陽花、紅葉など季節ごとに楽しませてくれます。
つづいては、七福神の中で唯一の女神。弁財天です。

【弁財天(べんざいてん)】
どんな神様?
 色白で美しい顔立ち、頭に宝冠を戴き、琵琶を弾く姿が一般的ですが、柏市の布施弁天のように八臂(はっぴ・八本の腕)で、いろいろな道具を持つ弁天様もいます。サラスヴァティーをいうインドの水・河の女神で、さらさらと流れる水音から言葉や音楽の神となり、妙音天とも称されます。芸道・音楽に関わる人々の信仰を集めたのはこのためですが、とくに日本では農業に不可欠な水を掌ることから、財宝を施す神「弁財天」として広く信仰されました。池・川・沼・湖など、水に関する場所に祭られ、白蛇が弁才天のお使いになります。手賀沼など利根川水系に囲まれ、古くから米作りが行われてきた柏市にも、たくさんの弁天様が祀られています。

主な社寺

幸町弁才天 【かしわ七福神 弁財天】
住所 柏市柏4-62-4
「かしわ七福神」の中では、柏駅から一番近い場所にあります。
布施弁天東海寺 【弁財天坐像】
木造・彩色・玉眼・像高38㎝
お前立の弁天様は、弓・箭(や)・刀・矟(ほこ)・斧・長杵・鉄輪・羂索(けんじゃく)を持つ八臂のお像で、両脇には毘沙門天と大黒天が並んでいます。布施弁天では、御本尊の弁天様(お前立)を真ん中に、向かって右側に大黒天、左側に毘沙門天をお祀りしています。いずれもインド由来の福の神で、3体並ぶ珍しい形です。
布施弁天については、柏歴史発見!こだわり柏の社寺(2)【布施弁天】をご覧ください。
住所 柏市布施1738
隣接する【あけぼの山農業公園】の【さくら山】からみた【布施弁天東海寺】
江戸時代は布施弁天の辺りまで、利根川が流れていて、水辺布施弁天が浮かんでいるように見えたそうです。
うわー。幻想的な風景だったのですね。
弘誓院 【弁財天坐像】
 弘誓院は、真言宗豊山派の寺院。正式には蓬莱山弘誓院満福寺といい、むかしから「柳戸の観音様」として親しまれてきました。
住所 柏市柳戸6113
神明社 【弁才天石祠】
宝暦7年(1757)3月(2基あり)
神明社については、柏歴史発見!こだわり柏の社寺(3)【神明社】をご覧ください。
住所 柏市塚崎1560

写真を追加したい

香取神社(藤ヶ谷) 【弁才天石祠】
宝暦10年(1760)11月
住所 柏市藤ヶ谷686-1
【香取神社(藤ヶ谷)】
妙照寺前 【弁才天石祠
明和6年(1769)9月
住所 柏市大井862-1
【妙照寺前 弁才天石祠】
福満寺 【弁天堂】
池の中に祀られた弁天堂の本尊は、天保11年(1840)上野不忍池からの分身勧請さでたもので、弁才天の石祠も天保11年と考えられています。弁才天の版木は縦31センチで、家内安全と福徳円満を祈ったものです。
住所 柏市大井1708
【福満寺 弁天堂】
【福満寺 本堂】
伊津美鳥見神社 【弁才天石祠】
文久2年(1862)6月
住所 柏市泉1358
香取鳥見両神社 【弁才天坐像】
弁才天坐像は木造彩色で像高12cn、大正9年氏子惣代によって奉納されました。
弁才天石祠 明治10年(1877)11月
住所 柏市布瀬1377
他に、今回写真はありませんが駒形や高柳にも【弁才天石祠】があります。

その他

駒形 【弁財天石祠】
元禄16年(1703)2月
住所 柏市片山1306
柏市高柳 【弁財天石祠】
弘化3年(1846)2月
高柳1259-1番地先
これまでご紹介している社寺の中にも、数多く【七福神】がお祀りされているのですよ。
どなたでも親しみがもてる、みんなの神様に注目してご紹介してみました。
今度、自分なりの【かしわ七福神】スポットをめぐってってみたいと思います!
次回もお楽しみに!

参考資料
『沼南町史(一)』
『沼南町史 史料集 金石文Ⅰ』
『沼南町史 史料集 金石文Ⅱ』
『柏市史(沼南町史 史料集 金石文Ⅲ)』
『沼南風土記』
『沼南風土記(二)』
『柏市史 (沼南町史 近代史料)』

歴史発見ガイド人

髙野
タカノ
博夫
ヒロオ
プロフィール

柏の古文書や石像をず~っと調べて40年。
柏の歴史って素晴らしいので、ぜひお知らせしたいと思っています。